KT転移【備忘録】
 【3次元の相転移】
 He4は零点振動によりT=4.2[K]まで液体にならない。さらに冷却するとT=2.17[K]で比熱に飛びが見られる。このとき系の対称性が破れ超流動体(イメージは摩擦のない液体)が発現し、さらに温度を下げていくことでその割合が増していく。絶対零度では超流動成分のみが存在するようになる。

 【2次元の相転移】
 2次元ではどのような振る舞いを見せるであろうか。T=4.2[K]近傍で比熱にピークを持つが、ゆらぎのために超流動への転移はできない。一般に低次元系では量子ゆらぎが効いてくることが知られているが、果たして超流動体は存在できるのであろうか。

 相転移が起こるときには系の対称性が破れて長距離秩序が形成される。3次元系では相関関数が定数になり長距離秩序の存在が示されるが、2次元系では相関関数はべき乗で減衰(=準長距離秩序)してしまい長距離秩序は持たない。しかし、長距離秩序を持たないからと言って相転移が起こらないわけではなく、トポロジカル励起によって相転移が引き起こされる場合がある。KosterlitzとThoulessはトポロジカル励起による相転移には渦の励起が重要となることを示した

 トポロジカル励起とはオーダーパラメターが連続的に分布している中でオーダーパラメターをいかに連続的に変形させても取り除けない(トポロジカルに安定な)欠陥の生成である。温度が上がっていくと、トポロジカル電荷が±1の最もエネルギーの低い欠陥対が生成され束縛状態が形成される。ある温度で束縛状態が壊れ欠陥が単独で動き回れるようになり、その点で相転移が起こっていると理解できる。この流れをKT転移を呼んでおり、Bose液体やXYスピン系、2次元固体で起こることが知られている。
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by dyjobyate | 2009-05-27 23:03 | 備忘録
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