ラザフォードの下で原子模型について学んだボーア(1885-1962)は、古典論からは出てこない新たな仮説を導入することで、原子の構造を統一的に説明できる理論を発表した。これはボーアの量子論(=前期量子論)と呼ばれている。
ボーアは以下の2つの仮説(=量子条件)を導入した。 (1)原子は飛び飛びのエネルギーをもった状態でのみ存在できる。(古典論では原子のエネルギーはどのような値でも取れたが、量子論ではエネルギーが制限される!)これらの状態を定常状態と呼ぶ。 (2)定常状態の電子は遷移(=ジャンプ)をして他の定常状態に飛び移る。例えば、高い状態から低い状態に電子が遷移すると、エネルギーが下がる。下がった分のエネルギーは光となって原子から放出される。 このような仮説(=量子条件)を導入することで、古典論では説明できなかった現象(=水素原子のスペクトル)が説明できた。しかし、ボーアのアイデアは「古典力学の枠組みに量子条件を付加する」という折衷的な方法であったため、より広い現象に適応するための一般的な指針はなかった。その後、様々な現象に対する理論・実験の研究の積み重ねにより、量子力学は「行列力学」および「波動力学」として成立した。
by dyjobyate
| 2009-01-29 16:33
| 物理(大学)
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