カテゴリ:物理(大学)( 9 )
熱力学③【熱力学第1法則】
 熱力学第一法則は一般的なエネルギー保存則の一つの場合である。熱力学的な視点から考えると、系の内部エネルギー(=系の内部に存在するエネルギー。微視的にいえば物質粒子の分子運動としてのエネルギー、粒子の相互作用のエネルギーなどの総和。)が存在することを主張する法則である。

 【熱力学第一法則】
 系が最初の状態1から最後の状態2まで変化する場合、その系に外界から与えられる仕事W、熱量Q、質量的作用量Zの総和は状態1と2によって定まり、途中の過程によらない。

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by dyjobyate | 2009-04-05 00:00 | 物理(大学)
熱力学②【熱力学的な量】
 状態量とは、考える系の熱平衡状態のそれぞれに応じて定まった値をとる物理量をいう。状態量には示強性状態量(=系全体の分量に関係しない状態量)と示量性状態量(=熱平衡状態を変えずに系を分割したり、倍加したりするとき全体の分量に比例する量)がある。

 示強性状態量の例として圧力(P)、温度(T)、化学ポテンシャル(μ)などがあり、示量性状態量の例としては質量(m)、エネルギー(E)、エントロピー(S)などがある。
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by dyjobyate | 2009-04-03 22:41 | 物理(大学)
熱力学①【熱力学第0法則】
 一つの孤立系(=外界と全く交渉をもたず独立した系)を放置すれば、最初の状態に依らず、ある終局的な状態に落ち着く。このような状態を熱平衡状態と呼ぶ。微視的には熱平衡状態でも物質粒子は複雑な運動を続けているが、巨視的には少数の変数(温度、圧力など)によって決まる単純な状態である。

 3つの系A~Cを考える。このとき『AとBが熱平衡でBとCも熱平衡であれば、AとCも熱平衡にある。』これを熱力学第0法則という。これは経験則(=経験の積み重ねによって一定の範疇で物事の判断がつくこと)である。
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by dyjobyate | 2009-04-02 20:41 | 物理(大学)
QGPとは【物理(大学)】
 まず、物質の最小単位は何であろうか?水を例にして考えてみる。

 水は水素原子2つと酸素原子1つで構成されている。
 水素原子は原子核1つと電子1つで構成されている。
 電子はそれ以上バラバラにできない(→素粒子と呼ぶ)
 
 原子核はクォーク3つで構成されている。
 これらを繋ぎ止めている粒子をグルーオンと呼ぶ。
 クォークはそれ以上バラバラにできない(=素粒子)

 QGP(=Quark Gruon Plasma)とは、クォークとグルーオンだけからなる状態である。
 つまり、QGPの研究は、初期宇宙物質の起源における研究である。
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by dyjobyate | 2009-03-13 22:21 | 物理(大学)
量子力学④(コンプトン効果)【物理(大学)】
 ボーアの量子論が提案された時代に、光(=電磁波)の正体をめぐる論争が起こっていた。現在では、光(=電磁波)は粒子としても波としても振る舞うという解釈がなされている。光(=電磁波)の粒子性を示す現象の代表例がコンプトン効果である。

 アメリカの物理学者コンプトン(1892~1962)は、X線(=電磁波)を物質に当てたとき、散乱したX線の波長に入射X線と同じもののほか、それよりも長いものがあることを見いだした。この現象は、X線を波動と考えたのでは理解できない!アインシュタインは、X線(電磁波)が粒子であると考え、この現象の計算をした。

 この計算結果は実験結果とよく一致をした。つまり、散乱したX線(=電磁波)の波長が長くなる理由は、入射した光子のエネルギーの一部が電子に与えられ、散乱した光子のエネルギーが小さくなったためである。(エネルギーが小さくなると波長は長くなる。)これをコンプトン効果と呼んでいる。
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by dyjobyate | 2009-01-31 23:45 | 物理(大学)
量子力学③(ボーア半径)【物理(大学)】
 ボーアの量子論を用いて水素原子の半径を計算すると、0.0000000000529mとなる。この長さをボーア半径と呼ぶ。このときの水素原子は安定に存在していて、基底状態(=エネルギーが最も低い状態)と呼ばれている。外部から電磁波(=光)を照射すると、電子の軌道が外側へ移り、エネルギーが大きくなる(=励起状態)。

 ボーア半径は非常に小さな値だが、この長さは量子力学では非常に重要な役割を果たす。なぜならボーア半径を基準として様々な長さを測っているからである。次回以降の話題となる「古典電子半径」という量も、ボーア半径を用いると簡単に表すことができる。
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by dyjobyate | 2009-01-30 23:37 | 物理(大学)
量子力学②(前期量子論)【物理(大学)】
 ラザフォードの下で原子模型について学んだボーア(1885-1962)は、古典論からは出てこない新たな仮説を導入することで、原子の構造を統一的に説明できる理論を発表した。これはボーアの量子論(=前期量子論)と呼ばれている。

 ボーアは以下の2つの仮説(=量子条件)を導入した。
(1)原子は飛び飛びのエネルギーをもった状態でのみ存在できる。(古典論では原子のエネルギーはどのような値でも取れたが、量子論ではエネルギーが制限される!)これらの状態を定常状態と呼ぶ。
(2)定常状態の電子は遷移(=ジャンプ)をして他の定常状態に飛び移る。例えば、高い状態から低い状態に電子が遷移すると、エネルギーが下がる。下がった分のエネルギーは光となって原子から放出される。

 このような仮説(=量子条件)を導入することで、古典論では説明できなかった現象(=水素原子のスペクトル)が説明できた。しかし、ボーアのアイデアは「古典力学の枠組みに量子条件を付加する」という折衷的な方法であったため、より広い現象に適応するための一般的な指針はなかった。その後、様々な現象に対する理論・実験の研究の積み重ねにより、量子力学は「行列力学」および「波動力学」として成立した。
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by dyjobyate | 2009-01-29 16:33 | 物理(大学)
量子力学①(古典物理学の限界)【物理(大学)】
 19世紀後半には、ラグランジュ/ハミルトンの形式で整えられた古典力学(=高校で学ぶ力学)が完成し、我々の世界の基本法則はほぼ理解されたと思われるようになった。

しかし、19世紀末になると、技術の発展により原子レベルのミクロな(=0.0000000001mの大きさを扱う)世界が物理学の実験的対象となってきた。ミクロな世界には古典力学で説明ができない現象が多くあり、そこから「量子力学」という学問が誕生した。

 「古典力学で説明できない現象」とはどのような現象だろうか。身近(?)な例として原子の構造を考える。ラザフォード(1911年)はα線の散乱実験をもとに、「原子の中心に正に帯電した原子核があり、その周りを電子がとりまいている」という原子の模型を提案した。(この模型は今でも高校物理・化学の教科書に載っている。)

 しかし、この模型は、加速運動をする電子が電磁波を放射してエネルギーを失うため原子が安定にできない、という問題を抱えていた。古典力学の計算によると、電子は0.00000000001秒のうちに、原子核に吸収されてしまう。この問題は1913年にボーアが解決した。そのアイデアとは・・・【続】 
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by dyjobyate | 2009-01-28 21:55 | 物理(大学)
このカテゴリの目標【物理(大学)】
 このカテゴリでは、20世紀の物理学で大きな話題となった「量子力学」と「相対性理論」について書こうと思います。僕もこれらの内容の完璧な理解はできていません。自分の知識を整理しながらも、新たな発見をしたいと思います。

 明日から「量子力学」を少しづつ書いていきます。
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by dyjobyate | 2009-01-26 23:39 | 物理(大学)