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電磁気学④(電場の源は?)【物理(高校)】
 前回、電荷を持つ物体は、電場に反応してクーロン力がかかると言いましたが、電場はどこから生じているのでしょうか。電場の正体をクーロンの法則(=2つの電荷間にはたらく力の大きさを求める法則)を基に解説します。

 1785年、物理学者のクーロンが「ねじり秤」と呼ばれる装置を用いて、クーロンの法則を導出しました。プラスの電荷が2つ(←これらの間には斥力がはたらきます。)しかない世界をイメージして下さい。クーロンの法則は、電荷の間の距離が大きくなればなるほど斥力が小さくなり、電荷が大きくなればなるほど斥力が大きくなる、というものです。

 プラスの電荷が2つ(電荷Aと電荷B)しかない世界でも、クーロン力が働くことは経験的に理解できます。電荷Aが動く原因は電荷Bにあり、電荷Bが動く原因は電荷Aにあるのです。このことから、電荷から電場が湧き出ていて、電場に反応してクーロン力を受けていると言えます。目には見えない力には、それを伝える「場」という概念が不可欠なのです。
# by dyjobyate | 2009-02-18 09:18 | 物理(高校)
電磁気学③(力学との接点[2])【物理(高校)】
 力学で「重力場」という概念があります。よく知られているように、地球に住んでいる人々には「重力場」の影響により重力がかかっています。ところで、この「重力場」は誰でも感じるものなのでしょうか。実は、目には見えない「重力場」を感じることができるのは、質量を持つ物体だけなのです。つまり、質量を持たない物体には重力はかかりません。

 それでは、電荷を帯びている物体(=電気を持っている物体)は、どのような「場」の影響を受けるのでしょうか。いくら多くの電荷を持っていても、決して「重力場」には反応しません。電荷は「電場」と呼ばれる場に反応して、クーロン力(=電気の間の力)が働きます。
 
 質量を持つ物体は、重力場に反応して重力がかかり、
 電荷を持つ物体は、電場に反応してクーロン力がかかるということです。 
# by dyjobyate | 2009-02-17 10:11 | 物理(高校)
電磁気学②(力学との接点[その1])【物理(高校)】
 電気は2種類あります。プラスの電気(=正電荷)とマイナスの電気(=負電荷)です。電荷は力学における質量と対応しています。質量は大きければ大きいほど、移動させるのに苦労しますよね。同じように、電荷が大きければ大きいほど、移動が大変です。悪く言えば、電荷は気のお物なのです。電荷の語源はここなのではないかと思います。

 力学の世界では、物体の運動を中心に考えてきました。そのために必要な式が運動方程式であったのです。また、仕事やエネルギーの概念を使うことで、物理を体系的にまとめることができました。

 電磁気学の世界では、電荷の運動を中心に考えます。もちろん、電磁気学にも運動方程式があります。しかし、高校物理では「静電気」の内容から始まり、その後は「電気回路」を中心に学びます。なぜなら、電荷を持つ物体の運動方程式には力学とは大きく異なる点があるからです。ここの問題に関しては、次回以降に触れていく予定です。
# by dyjobyate | 2009-02-16 08:06 | 物理(高校)
電磁気学①(静電気)【物理(高校)】
 冬になると、金属(ドアのノブ)に触れることで「バチッとくる」場面があります。一体、何が起こっているのでしょうか。実は、身体に溜まっていた電気が放電することで、バチッときているのです。この現象を具体的に考えてみましょう。

 人が椅子から立ち上がる時、椅子との摩擦によって人は帯電(プラスの電気を持つ)します。金属内には自由電子(=自由に動き回っているマイナスの電気)が多くあるため、金属(ドアのノブ)に手を近付けると、自由電子が表面にやってきます。手と金属(ドアのノブ)が接触すると、プラスとマイナスが接触するため、放電(=溜まっていた電気が放出)を起こします。これが「バチッとくる」原因です。

 冬に比べると、他の季節には湿気があるため、空気中の水蒸気が人に溜まっている電気を逃がしてくれます。このため、夏に「バチッとくる」ことは滅多に起こりません。
# by dyjobyate | 2009-02-15 16:22 | 物理(高校)
ですます調【日記】
 「ですます」調の使うタイミングがわからない。決まりがあるのかは知らないが、高校物理の内容を書こうと思うと、どうしても「ですます」調になる。不思議だ。逆に、自分の意見を書くときには、「ですます」調の方がよく伝わる(気がする)。

 ま、そんなことはどうでも良いとして、明日からは電磁気(高校物理)編が始動。力学編でも色々と書いてきたが、やはり物理を記述する言語は数学であるので、数式を使わないと確実に伝えることが難しい内容もあると感じた。今回も数学抜きでどこまでいけるか試してみよう。明日からの投稿は、是非読んでみて下さい。
# by dyjobyate | 2009-02-14 22:41 | 日記